JIS規格の読み方 調質編
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全般
- 金属圧延品の合金の性質に関する仕上処理の状態を調質あるいは質別といいます。
- F、O、H、などの英字だけで表示するもの、×/×Hのように分数表示するもの、T×、H××、のように英字+数字で表現するものなどがあります。
ここでは代表的なものの表示に止めてあり工業用にはさらに多くの質別が存在します。 - 読み方はいずれも英字、数字をばらばらに一字ずつ読みます。
- 例:H32(エッチサンニー)などです。
F
加工硬化又は熱処理について特別な処理をなにも行っていないもの。
O
焼きなましを行って最もやわらかい状態に仕上げたもの。
×/×H (1/2H、1/4Hなど)
加工硬化によって硬さを調節したもの。銅合金で使われる記号。
熱処理の有無についてはこの記号だけでは判別できません。
Hが最も硬く、3/4H、1/2H、1/4Hの順に柔らかくなります。ばね材料などではHよりも硬いEH、SHの表示を使うものもあります。
H×× (H3232、H34など)
加工硬化と熱処理の組み合わせを表示するもの。アルミ(非熱処理合金)に使用される記号。
前の数値が処理の方法、後ろの数値が硬さをあらわします。
- H1×:熱処理を行わず、加工硬化のみのもの。
- H2×:加工硬化後に焼きなましを行ったもの。
- H3×:加工硬化後安定化処理を行ったもの。
- H××2:1/4硬質
- H×4:1/2硬質
- H×6:3/4硬質
- H×8:硬質
例
H24=加工硬化後適度に軟化熱処理したもの。1/2硬質
H32=加工硬化後安定化処理したもの。1/4硬質
T× (T3、T6など)
熱処理を中心に処理を行ったものです。アルミ(熱処理合金)に使用される記号。
- T3:溶体化処理(焼き入れ)後、冷間加工したもの。
- T4:溶体化処理後、常温で時効硬化処理(焼きもどし)したもの。
- T5:高温で加工後、急冷(焼き入れ)してから熱処理によって時効硬化処理したもの。
- T6:溶体化処理後、熱処理によって時効硬化処理したもの。
*熱処理の方法については、【金属の熱処理】の記事をご参照下さい。